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私のヘビースモーカー時代

煙草をやめるのは簡単だということはお分かりいただけたでしょうか。それでは私自身がどのようにして煙草をやめたかをご紹介したいと思います。参考にして頂ければ幸いです。

そもそも吸い始めたきっかけは特にありません。若い頃は何かとカッコつけたがるものです。今思えば、喫煙がカッコいい訳でも何でもありません。大人ぶってみたかったのか悪ぶってみたかったのか、周囲に合わせたのか、とにかくそんな軽いスタートでした。よくある話です。最初は特に美味しいと思うこともなく、かと言ってむせるようなこともなく、何となく吸い始めたという感じです。

そこからヘビースモーカーになるまでは時間はかかりませんでした。お金もないのでギリギリまで吸う習慣がつきましたし、できるだけ愉しめるように強い銘柄を選ぶようになりました。最初に定着したのはラッキーストライクの両切りでした。フィルターがない分だけ旨いと感じるのです。そのうち、軽い煙草を吸っている人たちを下に見るような感情も抱くようになったものです。1日3箱くらい習慣的に吸っていました。

こうなると殆ど無意識に煙草に手が伸びるようになります。今から思うと無駄な喫煙が多かったように思います。今ほど高くはありませんが煙草代もバカになりませんでしたが、不思議とやめようとは思いませんでした。

喫煙を巡る環境の変化

そんな中、愛煙家にとっては年々厳しい時代になって来ました。煙草代も上がり続けていますし、喫煙スペースが減っていくようになりました。この傾向は今世紀に入る頃から拍車をかけて顕著になったでしょうか。

以前は仕事中でも事務所の席でも煙草を吸えましたし、飲食店も大抵のスペースは煙草が吸えました。路上喫煙も当たり前の光景でした。しかし、段々禁煙スペースが増えていき、仕事中も吸えなくなり、いつしか喫煙できる場所の方が少なくなっていきます。公共の場所や建物の中は禁煙が普通になり、我々愛煙家は喫煙可能な場所に追いやられる羽目になってしまったのです。

禁煙を決断

ある日、昼食を終えた私は食後の一服を求めて彷徨うことになります。昼食をとった店は禁煙でしたので、喫茶店か屋外の喫煙所で煙草を吸おうと外に出たのですが、その日はなかなか見つかりませんでした。あまり来ない町で、煙草を吸えるスペースを探すのに歩き回ったのですが、そのうち歩くことにも疲れてしまいました。

その時思ったのは、「なんでこんなことをしているんだろう」ということでした。煙草が吸えないイライラというより、喫煙場所が見つからないストレスに疲れてしまったのです。「煙草なんて吸いたくならなければこんな思いをしなくてもいいのに」。

そう考えると、そもそも煙草を吸っていることがバカバカしくなって来ました。健康にも悪いし、金もかかるし、喫煙できない苛立ちを抱えてしまう。吸うことのメリットなど一つもないのに、何でこんな思いをしているのか。「もうやめよう」とその時初めて本気で思ったのです。

実を言えば、それまでもやめた方がいいのは分かっていました。実際にやめようとしたこともあります。しかしそこまで本気ではなかったのでしょう。禁煙はいつも長続きせず、すぐにまた吸い始めてしまっていました。本気でやめることを考えたのはこのときが初めてだったように思います。

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