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難しい理由がない

これまで禁煙がうまく行かない理由について述べてきました。従来の常識的な方法や根性論が禁煙の妨げになっていたことがよく分かると思います。また、無理な禁煙を貫いて達成感を感じたところで、元の喫煙習慣に戻ってしまうおそれは消えないことも分かるでしょう。

禁煙が難しいというのは刷り込みに過ぎません。喫煙する正当な理由がないことは十分理解しており、吸わないというだけのことが難しい筈もないのはこれまでご説明した通りです。何かを「する」ということは頭で分かってもできないことはありますが、能動的に「しない」ということはできない訳がないのです。

我慢をしたり困難に立ち向かうことは容易ではありません。しかし、禁煙などというのものはそんな大層なものではなく、難しいという刷り込みと、世間一般が用意した「難しいのだから仕方ない」という言い訳が邪魔をしているに過ぎません。

「金輪際もう煙草は吸わない」「一本でも吸ったら負けだ」などとややこしいことを考えるから難しいだけなのです。

禁煙を始めること自体は日常と同じ

詭弁のようになりますが、禁煙は喫煙者の誰もが毎日無意識に始めているとも言えます。今吸っていた煙草の火を消し、次の煙草を取り出さなかった瞬間、それは禁煙を開始しているのと同じことです。勿論、その30分後にはまた吸うのかもしれませんが、少なくとも30分間は禁煙していたことになります。

「そんなの禁煙とは言わない」とお思いでしょうね。確かにそうです。でも、そんな感覚で禁煙を開始すれば良いのです。「取り敢えず今はこれ以上吸わない」と思った瞬間から暫くは煙草を吸わなくても平気な訳です。四六時中ずっと吸い続けているのではないですから、それで良いのです。

繰り返しますが、煙草には特定の薬物のような常習性はないのだということを頭に入れておいて下さい。

禁煙を持続すること

上記で述べたようにごく短時間の禁煙であれば誰でもできます。既に日常としてやっていることです。しかし、それを続けるにはどうすれば良いのでしょうか。

我慢できなくなった時に、その短時間の禁煙は持続するのが難しくなります。例えば前に煙草を吸ってから3時間後、どうしても煙草が欲しくなったとしましょう。煙草を吸う理由がないことも、それほど依存している訳ではないことも、どんな飲食物よりも好きでたまらない訳ではないことも、十分理解しているにも関わらず、それでも吸いたくなったとします。直前の3時間は吸わずにいられたのに、もう1秒たりとも我慢できなくなったのだとします。さてどうしましょう。

果たしてそんな切羽詰まった状況があるでしょうか。おそらくはないのだと思います。でも仕方ありません。前にも述べた通り人間はそれほど意志が強くないからです。意志の強い人はとっくに煙草などやめています。

そういうときは吸えばいいのです。そこを我慢して苦行にしてしまうことは反動しか起こさなくなります。そこまで3時間禁煙できたことで良しとしましょう。

ここまでのことを意識していれば、吸わなくてもいられる時間は少しずつ長くなる筈です。

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