禁煙を決断してから
煙草を吸う場所を探すのに疲れ、普段から煙草を吸えない時間にストレスを抱えていた私は、ついに本気で禁煙に取り組むことを決意しました。禁煙に成功すれば後は楽になることも想像がつきました。
しかし、それまでは決意が軽かったこともありますが、禁煙に成功したことはありませんでした。普通にやめようと思ってもやめられないことは明白です。ましてや私は自分の意志がどれだけ弱いかもよく知っています。本気で取り組むくらいのことで禁煙ができる気は一切しませんでした。
また、とにかく自分に甘いので、過酷な方法をとることはできそうにありません。絶対に吸えない環境に身を置くなどという荒療治も逆効果のように思えます。何かを賭けることも考えましたが、禁煙できない上に賭けに負けるだけなのは目に見えています。全く良いことはありません。
誰かに宣言することも意味がありません。以前にも禁煙すると周囲に告げたことはあったのですが、そうなると急に周囲の人たちは親切にも煙草をくれたり勧めたりしてくれるのです。逆効果でしかありません。
自分に甘い方法を選択
意志の弱い私には難しい方法は無理なことがよく分かりました。無理をしてもすぐに挫折して元のヘビースモーカーに戻るだけです。意味がありません。
そうなると方法は一つだけです。「誰にも宣言せず、無理をせず、何となくやめてみる」。これしかありませんでした。
取り敢えず煙草を持ち歩くのをやめてみることにしました。これだけで少なくとも無意識に煙草に火をつけてしまうことはなくなります。そして、本当に我慢できないギリギリの時以外は吸わないように心掛けることを決意しました。
そしてもう一つ最も大事なことは、煙草を吸ってしまったとしても気にしないことにしました。これまでの禁煙では、禁を破って一本吸ってしまったときに「失敗した」と位置付けて勝手にゲームオーバーにしてしまっていたのです。思えばこれが厳しすぎるのです。意志の弱い私がそんな簡単にやめられる訳はないので、吸ってしまっても構わない、以前より減っていればそれで十分な進歩なのです。
効果は少しずつ現れる
実際に煙草を持ち歩くのをやめたことで本数はだいぶ減りました。持っていないので外出中も喫煙所を探すことはなくなりました。例えば仕事中であれば、会社に戻ってから我慢できなければ吸えばいいと考えるようになりました。会社に戻れば仕事がありそれどころではなかったりもします。
食事をしたり飲みに行ったりすると、どうしても欲しくなることはありました。私は持ち歩くのをやめていますので、そういうときは人に貰うことになります。禁煙しているとは言わないので、切らしているフリをします。しかしながら、いつも煙草を貰うのも気が引けますし、私の好きな銘柄ではないことも多いです。私の場合はメンソールが好きではありませんし、軽い煙草であれば吸う方がイライラしてしまいます。吸いたくても貰わないことも増えていきました。
また、買い置きをするのをやめました。吸いたくなったら吸っても良いというルールなので、買うのをやめることはできませんが、残りがなくなるまで買わないことにしました。これは持ち歩かないというルールを守る上で役に立ちました。
禁煙できると思った瞬間
気づけば喫煙本数はかなり減っていました。酒が入るとアバウトになり、持ち歩いていないとは言え、つい買って何本も吸ってしまうことなどもありましたが、それを反省すると気が滅入るので気にしないことにしました。反省することで禁煙を義務として負担に感じるくらいならば、考えない方が良いのです。
また、人と話す為や席を外す為に喫煙所に行くこともありました。これは必要なことと割り切っていましたので、罪悪感を持つこともありません。
しかし、それ以外に煙草を吸うことは殆どなくなりました。習慣が改まるというのは大きなことで、あれほどのヘビースモーカーだった私にも、煙草を吸わない日常が普通のことになっていたのです。
そのことに改めて気づいたとき、今回ばかりは禁煙ができるという確信に至ったのでした。